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2012年6月26日

先日、これぞ数字のマジック、これぞメディアによる根拠のない歯科バッシングというニュースがありました。


最近のインプラントに関するメディアの報道は、明らかに悪意をもって作られており、見る者の不安をいたずらに煽ることで視聴率を取ろうとする、現実とはかけ離れた内容となっています。

そんな中でもさすがにこれはひどいと思いましたのでこのブログを書きます。

まずは全文を転載しますのでお読みください。

毎日新聞より

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 あごの骨に金属製の人工歯根を埋め込んで人工の歯を取り付けるインプラント治療で、治療している歯科医の6割が何らかのトラブルを経験していたことが、日本歯科医学会の初めての全国調査で分かった。手術設備や治療前の検査にもばらつきがあった。同学会は調査結果を基に、インプラント治療のガイドライン作りを始める方針だ。

 インプラント治療は、入れ歯よりも自分の歯のように強くかめる半面、治療を巡るトラブルがあとを絶たない。日本歯科医学会は3月、全国の歯科医師会を通じて歯科診療所の医師1000人に調査票を送り、423人から回答を得た。

 その結果、この治療に取り組む289人のうち、60.8%が治療による何らかのトラブルを経験していた。具体的には▽人工歯の破損が67.5%▽インプラント周囲の炎症が55.4%--などだった。また、4人に1人が「神経のまひ」や「異常出血」などの重い医療トラブルを経験していた。手術を手術室でするかや治療前の検査内容にばらつきがあることも分かった。

 インプラント治療はほとんどが自由診療でこれまで治療のガイドラインがなかった。調査を担当した栗原英見広島大教授は「他の歯科診療所の取り組みを知る機会を設けるなど、ガイドラインが守られるための仕組みも作りたい」と話している。【斎藤広子】

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内容は問題ないとは思います。

問題はこのニュースを誤解している患者さんがいるということです。

当院にいらした患者さんは、

「テレビでやってたけど、インプラントは4人に1人が骨に問題が起きるんでしょ?」

と完全な誤解をされておりました。

私はそのテレビを見ませんでしたが、このような誤解を一人の方がしているという事実がありますので、日本中で言えばかなりの数の方が同じ誤解をされたことでしょう。

そのような誤解を生むような報道だったわけです。


また上の記事に、「インプラント、4人に1人がトラブル」というタイトルがついているものも見かけました。

(誤解ないように言いますと、毎日新聞様がつけたタイトルではないと思います。)


しっかり読んでいただければ分かりますが、患者さん4人に1人ではなく、

歯科医師4人につき1人がなんらかの重い医療トラブルを経験しているという記事なのです。


歯科医師1人につき100回のインプラント経験があるとして、

そのうちの1回でトラブルがあった歯科医師が4人に1人いたとすると、

100人歯科医師がいたら、インプラント手術は10000回あり、そのうちの歯科医師25人にトラブルがあった、

という計算になります。

25人がトラブルを平均1回経験しているとすると、25/10000=0.0025=0.25%です。

実際は平均の経験数がもっと少ないかもしれませんが、1人につき10回としても2.5%です。


「インプラント、(歯科医師)4人に1人がトラブル」

なのに、このタイトルを見たら普通は、

「インプラント、(患者)4人に1人がトラブル」という意味にとらえるでしょう。

0.25%を25%に見せてしまっているのです。

悪質な意図があるとしか思えません。


最近のインプラントバッシングは、死亡事故や使い回しの問題、医療トラブルの増加が発端となっています。これらはほとんどが心ない金儲け主義の歯科医師によるものだと思います。


きちんとした治療をこころがけている歯科医師は今大変心を痛めています。

インプラントが最適な治療だと思われる患者さんが、

誤解によってインプラントを選択しなくなり、

その結果最良のゴールに到達できなくなるからです。


インプラントはしっかりと診査・診断をすれば、

成功率は90%台後半ですし、トラブルも起きづらいものと考えます。


みなさん、視聴率至上主義のメディアの過度なあおりを真に受けないようにご注意ください。

https://www.araident.com/

2012年6月19日

本年6月5日に発表された、平成23年度人口動態調査の​死因の順位で、
前回4位だった肺炎が、脳血管疾患を抜いて3位になりました。

さて、肺炎のひとつに誤嚥性肺炎というものがあります。

歯磨きなどの口腔ケアがしっかりできていないと、口の中の細菌が増え、それを誤って肺の中に飲み込む(誤嚥する)ことで、その細菌が肺炎を起こす。これが誤嚥性肺炎です。

肺炎の60~80%は誤嚥性肺炎であり、口腔ケアを行うこと​で高齢者の肺炎の発症率が40%低下すると言われています。

当院の訪問診療で口腔ケアをしている施設でも、原因不明の発熱をする高齢者の方が減ったという声があります。


高齢者の方の口腔ケアをしっかりすることで、肺炎で亡くなるリスクを下げることができます。

当院では施設はもちろん、在宅での口腔ケアも承っており、専任の歯科医師、衛生士が伺って診察にあたります。

なんらかの事情で通院することができないご家族がいらっしゃるのであれば、一度ご相談いただければ幸いです。

https://www.araident.com/

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荒井歯科医院 院長 荒井淳次 荒井歯科医院
院長 荒井淳次

http://www.araident.com/

【経歴】
2004年
 東京医科歯科大学
 歯学部卒業
同年
 歯科医師免許取得
 東京医科歯科大学歯学部
 附属病院義歯外来専攻生
2006年
 同外来医員に就任
2008年
 同外来非常勤講師として
 週1日勤務
 荒井歯科医院勤務開始