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2011年1月29日

歯に入っている銀歯やさし歯などの詰め物が取れて歯医者に行った経験はどなたにもあるかと思います。今回は「詰め物が取れる」ことへのいくつかの誤解について説明したいと思います。

1.「詰め物が取れたからまたつけてください。つけるだけだからすぐ終わりますよね?」

このようなお電話をよくいただきます。これは「診てみないと分かりません」としかいえません。

なぜなら詰め物が取れた場合、その詰め物が入っていた歯が虫歯になっている可能性があるからです。虫歯になったりしている場合は麻酔をしたり虫歯を削ったり、新たな詰め物を作ったりと時間がかかる場合もあります。

2.「この詰め物は詰めてから5年もったんです。ですからまたつけたら今度も5年は持ちますよね?」

 これもなんとも言えません。なぜなら、詰め物の支えになっていた歯が5年前と同じ状況とは限らないからです。5年間で虫歯がすすんでいれば、歯の形も変わりますから、また5年もつことはおそらくないでしょう。

 詰め物が取れるのには理由があります。セメントの老朽化だったり、中で虫歯がすすんでいたり、歯が割れてしまっていたり。一度取れたら、また新品同様の状態でつけることができないことはよくあります。

 「5年もった」という表現も患者さんと歯医者との間でギャップがあることがあります。患者さんのいう「5年もった」は「5年間取れなかった」という意味です。しかし、おそらくその5年間の途中で中で虫歯が始まっています。歯医者としては虫歯ができた詰め物を「もった」とは表現できません。
 中が虫歯になりにくいようにぴったりと詰め物を作るのが歯科医師の責任だからです。

3.歯科医師「さし歯の中が虫歯になっているから新しく作らないといけません」
患者さん「え?さし歯は本物の歯じゃないんだから、虫歯にはならないでしょう?」

 さし歯は歯が抜けたあとの穴に歯の形のものをさしこんでいるわけではありません。ご自分の歯の根っこの部分は残っていて、その根っこを利用してさし歯をくっつけているのです。根っこはご自分の歯ですから当然虫歯になります。

歯に関して、患者さんはさまざまな誤解をもっているものです。大事なのは、自分の歯がもっとも長くもつにはどうすればいいかを、患者さんと歯科医師がいっしょになって考えることだと思います。

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「歯を磨くときは鏡を見ましょう」

歯みがきレッスンをする際にはみなさんにそうお伝えしています。

慣れないうちは磨こうと思っているところと実際ブラシがあたっているところがズレていることがよくあります。

また、歯垢がどこについているかを見ながら磨けば、効果的に歯垢を落とすことができます(歯垢染め出し液で染めないと歯垢を見分けるのは至難の業ですが)。

ですから鏡でお口の中を見ながら磨く必要があるわけです。


でも洗面台の鏡では、上の奥歯の裏側などのように見るのが難しい部分もあります。

そこで欲しいのが、歯医者さんが使っているあの小さな鏡。

「でも専門器具だから高そうだし、売ってないでしょ?」

大丈夫です。販売しております。しかも安価で。110円です。

ご興味ありましたらご相談ください。

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歯垢染色液 プラークチェッカーで歯垢を見ながら落とす

2011年1月26日

歯と歯の間に潜んでいる歯垢(生きたバイ菌のカタマリ)は、歯ブラシでは磨き残しやすく、フロス(糸ようじ)や歯間ブラシを使って掃除をする必要があります。

現に大人の虫歯の大半は歯と歯の間から発生します。歯周病も歯と歯の間から起こることが多いです。

ですから、歯と歯の間の歯垢をなんとかして掃除することが歯を健康に保つ上でもっとも重要です。

今回はフロスの話を致します。

フロスは基本的に歯と歯の間の上から間に押し入れて使いますが、歯と歯の間に詰め物が入っていて糸が通りづらかったり、ブリッジが入っていて物理的糸を通せない部分もあります。そんなときに役立つのが、ソーントンフロスとイージースルーです。
これらの道具は歯の真横から歯と歯の間に糸を通すことができるスグレモノです。

ソーントンフロスは、1本の糸に3つの部分があります。
1.まず先端は普通のフロスよりコシがあり、針の糸通しのような役割をします。
2.糸の真ん中あたりはスポンジ状になっていて、歯垢をからめとります。
3.残りの部分は普通のフロスになっていて、普通のフロスとしても使えます。

イージーフロスは市販のフロス(切って使うタイプ)を、歯の横から歯と歯の間に通すために、針の糸通しのような形をした道具です。

フロスで歯と歯の間を掃除したいが、通らないところがある方におすすめの2商品です。

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歯と歯の間の虫歯
ふくらむデンタルフロス e-floss

2011年1月24日

虫歯が深くなり、歯の中の神経のところまで虫歯が達すると、強い痛みが出ます。

その痛みをなくすには神経を取るしかありません。


ところで、神経を取るって、いったいどういうことなんでしょうか?

RCT1.JPG

上の図の歯の中の赤い部分がいわゆる神経です。(専門用語では歯髄といいます)
歯の根の中に管状に通っていて、1本の根の中に1~2本の神経が通っています。

神経は真ん中の歯を見ていただくと分かるように、根の先端から歯の中に入ってきます。

神経をとるという処置は歯の中に入っている部分の神経を、根の先端で切断して取るということなんです。

RCT2.JPG

神経を取ると歯の根の中は空洞になります。

空洞になったままにしておくと、その空洞で細菌が繁殖して、根の先端の外側に炎症を起こします。すると神経がなくてもまた痛みが出ます。

ですから、何回かかけて神経の通っていた管の中を清掃して無菌状態にします。

そして、歯を叩いて痛いなどの症状がなくなったら、管の中に詰め物をします。

その後土台を作って型取りをして、銀歯をいれて完成となります。(歯の状態により治療内容は変わります)

RCT3.JPG

奥歯だと大体5~6回かかります。

神経の治療をやっているときは、毎回治療後に少し痛みがでることがありますがすぐにおさまります。

また仮詰めを毎回しますが、少し崩れやすい材料なので取れることが多いですが、全部取れることは珍しく、ある程度残っていることが多いので、少し取れてもあまり気にしないようにしましょう。


神経を取った歯は虫歯ができても痛みを感じなくなるので、気づかないうちに虫歯が大きくなり、抜歯しなければならなくなったりします。

銀歯を入れた歯は、歯と銀歯の間にミクロの隙間があり、天然の歯より虫歯になりやすくなっています。銀歯を入れれば虫歯にならないと思っている方がいらっしゃいますが誤解です。


とりとめない話になってしまいましたが、治療を受ける際の参考になさってください。

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荒井歯科医院 院長 荒井淳次 荒井歯科医院
院長 荒井淳次

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【経歴】
2004年
 東京医科歯科大学
 歯学部卒業
同年
 歯科医師免許取得
 東京医科歯科大学歯学部
 附属病院義歯外来専攻生
2006年
 同外来医員に就任
2008年
 同外来非常勤講師として
 週1日勤務
 荒井歯科医院勤務開始