2022/01/01
今回は「学校歯科検診の落とし穴」です。
学校では「集団歯科検診」があり、1年に1~2回お口の中のチェックをします。
皆さんも思い出があるのではないでしょうか?「しゃせん」とか「しー」とか言いながら先生が記録を取っていきます。私は「お前虫歯何個あった?」とか友達とわいわい喋っていたのを覚えています。
しかしこの検診、意外な落とし穴があるんです。
<歯を見る環境が悪い>
学校の生徒全員の口の中を見るとなると、一人ひとりにかけられる時間は短くなります。
また、使用するのはペンライトとミラーのみ。歯科医院のライトのように口の中をしっかり明るくできるわけでもありませんし、ミラーは吐息で簡単に曇って見えづらくなります。つまり、診査をする環境が非常に悪いわけです。
<虫歯の見落とし>
ですからまず起こりうるのは、「虫歯の見落とし」です。
虫歯は中の方で大きくなることが多く、ぱっと見では虫歯と分からないことがあります。もちろん歯科医師はプロですので、歯科医院であればあまり見落とすことはないとは思いますが、環境の悪い中では見落としてしまうこともあります。
こうなると、学校の検診では虫歯がないと言われたのに、歯が痛くなって歯医者に行ったら大きな虫歯があると言われた、ということにつながってしまいます。
<虫歯でないものを虫歯にカウントしてしまう>
もう一つの問題点として、「虫歯でない歯を虫歯としてカウントしてしまう」ということです。
歯が黒くなっていても虫歯ではないことはよくあります。しかし黒い歯があったとして、それが虫歯かどうかを判定している時間がないため、「疑わしきは虫歯」と判定する必要があります。見逃しをしないためには必要なことですが、歯医者に行ってみたら「虫歯じゃありませんよ」と言われてしまいます。
<大事なのは、検診だけを盲信しないこと>
まとめると、検診で「虫歯ゼロ」と言われたとしても、年に一度はかかりつけの歯医者で見てもらうことが大事です。
今は予防の時代です。検診で虫歯が見つかってから歯医者に治しにいくのではなく、虫歯を作らないように健康なときこそ歯医者に通うようにしましょう。